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2007年5月28日月曜日

◎◎Hacks

最近ビジネス書で「◎◎Hacks」と名前のついた書籍をよく見かけるようになったなぁと思う。

たとえば、東洋経済新報社から出ているIDEA HACKS!TIME HACKS!PLANNING HACKS!は今でも書店で平積み状態だし、技術評論社からもいくつか同様のビジネススキルに関するTips集が出ている。今挙げた三冊とも購入し、読破した。話の内容は、新人社員でも今からこつこつやれば、モノになりそうな技でまとめてあって、楽しく読めた。私的には知ってる話が多かったかなぁ…使いこなせているとは言えないけれども。

最近のこの手の話の肝はパソコンやインターネットの機能を上手に使うという事に尽きる。ちょっと前までTipsと言っていた話だ。

今時はこうしたTipsをHacksと言ったりするのだなぁと思ったりもする。HackerとかHackingといえばコンピュータを使った悪人や悪事の代名詞の用に言われていただけに、時の移り変わりを感じる現象ではある。とはいえ、本来の意味とは違った意味で使われている事に忸怩たる思いをしていた真性Hackerは多かっただろうと思う。やっと本来の意味で使われてはじめた事は、めでたい事ではある。

私の認識では、最初にHacksと堂々と名前をつけはじめて書籍シリーズを作ったのは、コンピュータ関連の専門書籍出版で有名なオライリー(リンク先は米国O'Reilly Media Inc.子会社のオライリージャパン)だと考えている。しかし、最初かどうかは私も具体的に証拠があるわけではないので、その点、異論があるかもしれない。

この流れで技術評論社他各社がHacksと銘打った本を次々と出版し、ビジネススキルにHackの意味範疇を拡大させて、しまいにゃ人生(Life)までHackの対象にしてしまった。

小技集でもTipsでも裏技集でも、使える技の集合を呼ぶのに何語を使ってもなんと呼んでも良い、とは思う。しかし、一方で「なんでもかんでもHacksと呼んでしまうのはどうよ?>俺」と一人斜に構えてしまう。

「具象を言語化する日本語、抽象を言語化する英語」とは私の今は亡き大学の恩師がよく言ったもので、こうした現象を見ると「確かにそうだなぁ」と思う。英語は概念が同じなら同じ名詞、同じ動詞を使うし、それが具体的な物事を中心に考える日本人にとっての解りづらさにつながっているという話だ。HacksやTipsも日本語より使われる頻度が上がっているんではないだろうか。この小さな違和感は、日本語を母語として使う日本人だからなんだろうか?

というわけで、日本語サイト限定でググってみた。

 Hacks --- 約2,030,000件
 Tips --- 約2,410,000件
 小技 --- 約1,520,000件
 裏技 --- 約2,550,000件

この結果だけなら、「裏技」という言葉も案外使われている。ファミコンや「伊東家の食卓」様様?
でも「人生の裏技」って、なんか「アレな感じの人」に思われそうで嫌(苦笑)
Tipsは市民権を得てる感じで、Hacksは成長株でしょうか?
私的には、TipsよりはHacksの方が手続きが煩雑そうな気がする。

日本語は具象物にそれぞれ名前をつけていくというのが伝統的な言語化の方法であるように私は考えているのだが、こういう外来語を多用することで、本来の日本語的な造語能力が削がれているのではないかと思うことしばしばである。それとも外来語が一つ増えただけで、日本語の柔軟さを誇るべき?

せめて日本語書籍のタイトルは、英語とは別に、もう少し雅な言葉で考えて欲しいなぁと思うのであった。
もっとも、日本のコンピュータ関係の専門用語は英語ばっかりで、日本語は定着しないのが多かったから、頑張らないといけないのは、計算機関係の学者グループも同じかもしれない。文武両道、文系も理系もできるというのが本来の学問を目指す人の姿だとは思うが、これはまた別の機会に。

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