「ハリー・ポッター」シリーズの作者
J.K.ローリング氏お手製の本をAmazonが落札したそうだ。
収益はヨーロッパの子供達の為の慈善団体に寄附されるとのこと。値段もさることながら、そのきっぷの良さに惚れ惚れした。自分の作った作品が「金の卵」である、という自覚があって初めて出来る社会貢献かもしれない。このようなアーティストならではの方法は非常にスマートだと思う。異論はあるところだと思うが、私はこの社会貢献の手法は好きだ。価値を認めた人がその対価を払うのだから。Amazonが「本」を買うことで社会貢献するという点でも、スマートであると思う。Amazonだったらすぐにその程度の費用は回収するだろうしね。
ところで、Amazonの一連のコメントのなかに「何故ヨーロッパ限定?」という意見が散見された。これはこれでもっともな疑問だと思う。
でも、それを問うことは野暮というものではないか?大事なのは、本を作って寄附しよう、と考え実行したローリング氏の志ではないだろうか。一冊4億5千万円相当の売却益を自分のために使うのではなく、他の人のために使おうということはなかなか出来ることではない。企業だって、滅多に億単位の募金はしないだろう。ローリング氏の行為は素直に賞賛に値するのではないだろうか。
一口に4億5千万円とはいっても、慈善事業にかかる経費は莫大だ。基金の原資にしたところで、ちゃんと管理できなければ、あっという間に無くなってしまう金額であるとも言える。例えば、日本に恵まれない子供達の施設を作るとしたら、今までの日本の政治家や行政だったら、箱物を建築するだけでおしまいだ。運営費は全く残らない。そんな金額じゃないだろうか。全世界の子供達の事を考えるに至っては、いったいいくらのお金がかかるのか。それを氏に問うなら、同じく日本や世界中の作家達に「なぜ寄附しないのか?」と問うべきである、と思う。
残念ながら「世界規模」で貢献できる作家は数少ないであろうし、それ故の疑問であろう。日本のベストセラー作家が日本の団体に寄附しても、そういう疑問は出てこないのではないだろうか。「ヨーロッパ限定」なのは、ローリング氏がヨーロッパで暮らしているから。自分を育ててくれた地域に対する貢献、それで良いと私は思う。
この{好意|行為}を見て、我々が考えなくてはいけないのは、慈善事業に頼らなくてもちゃんと機能するべき社会のあり方であったり、貧困をなくすための各国の政策であったり、一人一人の福祉や慈善事業への理解とか心持ちだったりするのではないだろうか。
私もしっかり儲けて、少しでも社会に利益を還元できればと思う。
0 件のコメント:
コメントを投稿