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2007年12月17日月曜日

知のFramework - お薦めの本:効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法

今年のビジネス書を出版された著者の中で私が一番気になってずっと追っかけていた方、勝間和代さんが、また新刊を出版されました。それも僅かな期間で3連発!それぞれにターゲットとする読者層が違う本をつづけて3冊も出されるのは本当に素晴らしい。(これだから、健康には気をつけなければいけませんと反省しきり)

さて、その直近3冊のなかでも、技術者の端くれとしての私が、一番広く読まれて欲しいと思うのがこの本、

効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法

です。これは凄い。巻頭カラー、巻末もカラー!300ページ!
ご自身のBlog「私的なことがらを記録しよう!!」で述べられていた(ここここ)とおり、仕事の効率を上げる技術が満載です。

技術的な事はもとより、やはり勝間さんのこの本の神髄は「いかにして知的生産の効率を上げるか」の一言に尽きるともいます。ホワイトカラー版の「かんばん方式」ですね。効率を上げるためにはどうすれば良いか、というこの一点について語り尽くされていると言って良いと思います。

 実は私はこの本のタイトルを見たとき、『「知的生産術」とは大胆な!』と思いました。勝間さんも著書で触れられていますが、「知的生産」とくれば、私はまず最初に梅棹忠夫先生の著書『知的生産の技術 (岩波新書)』を思い浮かべますし、野口悠紀雄先生の『「超」整理法―情報検索と発想の新システム (中公新書)』などの一連の「超整理」本や、立花隆氏の『「知」のソフトウェア (講談社現代新書 (722))』も読んで参考にしてきました。その事が念頭にあったので、「これは野心作だな!」と思ったのです。

 では、勝間さんの著書と諸先生方の知的生産の技術では何が違うのか。私は3つあると思うのです。

(特徴1)いうまでもなく、知的生産に関するコンピュータの活用のための情報であると思います。これは諸先輩方の著書の出版時期を考えれば、至極当たり前の事かもしれません。この本はマニュアルではないので、コンピュータに詳しくない人は、ソフトウェアの使い方については自分で四苦八苦しながら体得していかなければなりませんが、それでも、どうすれば効率化できるか、という点でもう解があるわけですから、その試行錯誤がないだけでも大幅に無駄を削減できます。
 そうそう、親指シフトキーボード(今手にはいるのはこれかな?「富士通 親指シフト キーボード FKB8579-661EV」)は、私もお薦めします!是非使ってみて下さい。

(特徴2)勝間さんご自身が体得した情報の交通整理の方法について。(1)簡略化、(2)階層化、(3)フレームワーク化という事を通して、どうすればあふれる情報に負けないで、自分にとって有益な、いかに雑音の少ない入出力が得られるか、その方法の一端に触れています。また情報の入出力をどう効率化するかについても語られています。

(特徴3)いかに健康な体を維持するか、という点での技も見逃せません。病気にかかってはじめてわかる健康のありがたさ、ですが、とにかく人間の脳は体の一部である以上、体が疲れていれば、なかなか冴えた考えというものは浮かばないものです。(もちろん、病気だからと言って、優れた考えが出来ないという訳ではありませんよ!念のため)
 知的生産の効率を下げるリスクを遠ざけるにはどうすればよいかいろんな方法が具体的に語られています。私を含め、不摂生を自覚している人は、よーく読みましょう。

 アメリカ流のビジネスが流行る現在、MECEやフレームワークという情報の整理術を知っておくのは、今や必須といえるかもしれません。私が外資系で働いていた頃、同僚から「話が分からない」と言われ続けたので、何が悪いんだろうと自問自答していました。今、これを読んで目から鱗が落ちました。なるほど、そういう考え方、情報の交通整理の訓練をしていないことには、相手にとって「わかる」あるいは「意味のある」話は出来ないわけです。自問自答していては、同じ所をぐるぐるしているだけで、相手にわかるはずもありません。彼の国でみんながMBAを取りたがる理由がよくわかります。同じ土俵に登るためには、同じ技術を身につける必要があったわけです。
 私の愛用のシステム手帳は「フランクリン・コヴィー」(ちなみにこんなバインダーです)なのですが、考えてみれば、コヴィー博士の「七つの習慣」も「フレームワーク」ですね。急がないけど重要な事項、と言葉だけではなかなかわかりませんが、重要である・重要でない、緊急性がある・緊急性がない、という対立軸をグラフ化して見せられれば、なるほど!と誰しも思いますね。

いやー、これだけの内容、よく11万字で収まったものです。いつか「削られた5万字分の内容」も知りたいですね。これからも目が離せません。是非これからも頑張って欲しいなと思います。

 余談ですが、コンピュータ・プログラミングの世界でも、今や「ライブラリ」とは言わず、「フレームワーク」と言いますね。昔と今では「図書館」に通ってあれこれ探すのではなく、Googleのサーチエンジンを使って「ググる」(=検索する)くらいの違いはあるのかもしれません。



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