まず、衝撃的なのは「法律はあなたの仕事を守ってくれない」と最初にくる事です。とくにベンチャー企業の場合、日本でアメリカからの解雇通知を受け取っても誰も助けてくれません。それに、その通知がくるまでに十分「退職に追い込まれている」という本書の指摘はありうる話。思わずうなずいてしまいました。
そして、管理職に昇進しても、ゆめゆめ油断することなかれ。昇進した瞬間、立場が逆転し、それまで「仲間」だった人が突然「部下」になったりして、やりにくいことこの上ない。それに対処するには…等々、他にもいろんな知ると怖い、知らないともっと怖い「落とし穴」が全部で50の秘密として解説されています。昨今の日本ではアメリカ風の職場環境になりつつあると言われているので、これは決して外資系だけではなく、日本の会社でも十分考慮されるべき「秘密」でしょう。
会社で出世したほうが面白い仕事が出来る、とは良く言われる事ですが、その前に十分に覚悟し、準備しておかなければならない事がたくさんあるということなのでしょう。上手に出世することで「突然の解雇」という信じられない危機を回避することも可能です。出世が自分にとってのリスクヘッジなのであれば、怖がらずに前向きな努力をひたすらするこことが、ひいては己の身を守るってもんです。
怖い事がたくさん書いてありますが、対処方法ももちろん教えてくれています。作者の言いたい事が本当はどこにあるのかを考えながら、読んでみるのも、世知辛い世の中を渡って行くためのスキルの一つとも言えるかもしれません。あらかじめその会社の「秘密」を知ることができない以上、組織としての考え方とはどんなものなのか、当面はこういう書籍で情報を仕入れるしか我が身のを守る方法はないかもしれません。一方で、自分視点ではない、組織の視点という位置で物事を見る訓練にもなるでしょう。この本は外資系に勤める方だけでなく、広く(とくに若い人たちに)お薦めしたいと思います。