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2008年2月15日金曜日

古川亨氏の憂い:MS IME と「ものづくり」の精神

古川亨氏といえば、かつてのMSKKの会長であり、マイクロソフトの一時代を作った方です。現在は慶応大学で教授として教鞭をとり、IPAの未踏プロジェクトでもPMをされたりとご活躍中ですね。Mac 使いとしては MS の OB というだけでちょっと緊張してしまう部分があるのですが、ブログではいろんな意見を述べられていて、大変に興味深いのです。

その古川氏のブログ、今日の話は MS IME の話でした。ちょっとだけ引用させていただきます。

MS IMEさらに...お馬鹿になっていく | 古川 亨 ブログ
http://furukawablog.spaces.live.com/blog/cns!156823E649BD3714!9079.entry


引用部分はMS IME の誤変換の多さに、実例を挙げて嘆いたあとのお言葉です。
-----引用ここから
某MS社員に、「MS IME最近どうなっているのよ?」と先週聞いた答えが...「IME開発の主体が、中国にシフトしまっていて我々も手を出せない......個人的にはATOKに切り替えようと思っている」と言う現役開発系社員の発言に絶句!!!

(中略)
MSのモットーは「Eat Your Own Dog Food」(人にドッグフードを勧める前に、まず自分で食ってみろ!)だったはずなのに、”犬も食わない”って話かよーっ...きっと藤村さんが、泣いてるぜよ!!!
-----引用ここまで

や、これは我が意を得たり!と思いました、ええ(苦笑)

古川氏の環境云々の話はさておき、MS IME はかなり変な変換をしてくれていますよね。「週刊」を「週間」と変換してくれるという話は勝間和代さんもご自身のブログでしておられました。

しかし、日本語入力特有の操作である日本語変換のエンジンの開発の中心が中国に行ってしまっているとは!これはもう少し、深刻に考えた方が良いのではないでしょうか?>マイクロソフトの日本法人の方

自分たちに必要なものは自分たちで作っていかないと、意図しないモノができあがるというのは、枚挙にいとまがない。それはいろんな方が言っておられることです。 "Eat your own dog food" というのはそういう事ですよね。

私が師事した今は亡き大学の恩師も「日本人の使う{OS|ソフトウェア}は日本人が作らないと!」と常々おっしゃっていました。それはとりもなおさず、自分のやるべき事は他人に任せるな、ということ。(私、全然できてません。恩師に顔向けできない…)

ビジネスで他人に任せるのは百歩譲るとしても、チェックも意見も出来ないというのは古川氏が憂えるのも当然の様に思います。自分たちが得意としている、他の言語を話す人には発想できない部分を出してしまうのは、どうなんだろう?誰が開発してもいいとしても、オフショア開発がコストが安いから出すとしても、自分たちで面倒をみるべき仕組みは作っておかないといけないんじゃないだろうか。じゃないと日本人には使いづらいインターフェースになってしまう。

事情を知らない人間があれこれ言う資格はないのかもしれません。しかし、一ユーザとしての心配を書きたいと思います。(ええ、家にもちゃんと MS 製品 (Genuineマークはってあるよ) がありますとも!)

役所の仕事を民間に委託すると「業務の丸投げ」問題が良く発生するようですが、MS IME の開発は、それと似たような構造になってはいないでしょうか。共有できるところと、特化できるところ、旨く組み合わせないと、自分で自分のクビを絞めることになりはしないでしょうか。最近は中国製の冷凍食品に農薬が混入していたとか(事件か事故か、その原因はわかりませんが)そういう話もありますが、なんとなく構図が似ているような気がしてなりません。自分たちのことなのに、人任せになっている部分がありはしないでしょうか。直接的な原因ではないかもしれないけど、遠因になってはいないでしょうか。

かつての古巣の製品の出来を憂える古川氏の気持ちは、立場は違っても理解できるような気がします。

もっとも、MS 製品だけでなく、Mac ユーザ的にも同様な気持ちを抱くことはあって、

「…にしても、「ことえり」どうよ? ATOK、Leopard の不具合なんとか汁!」

という心境ではあります。特にいろいろとあった最近は(苦笑)

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