Wikinomics: How Mass Collaboration Changes Everything (日本語版:ウィキノミクス マスコラボレーションによる開発・生産の世紀へ)の著者 Don Tapscott氏が「誰もが無意識にプログラミングしている。これこそWeb2.0」だと言ったそうだ。しかし、私はにわかには理解しかねる。
「Wikinomics」著者が語る、ウェブで起こっている変化とその要因:ニュース - CNET Japan
同氏は、Flikrに愛犬の写真をアップロードし、タグとして犬種を入力しただけで、世界中にいる同じ犬種の写真に簡単にアクセスできるようになった例を話し、「誰もが無意識にプログラミングしている。これこそWeb 2.0だ」と述べた。
なぜ「検索する」ことを「プログラミングする」と言っているのか、すっきりしない。その場にいて話者の発言を聞いたわけではないので、実際どんな語句を使ったのかは不明だ。しかし、それはプログラミングではなく、誰かがプログラムしたソフトウェアを使っただけなのではないかと私は思う。
Web2.0 のすごいところは、今まで Windows や Macintosh といった個別のプラットフォームに依存してきたソフトウェアが、Ajax に代表されるような技術によって「ウェブブラウザ上」にシフトしたことで、ソフトウェアの機種依存性が事実上低下したことだと私は思っている。しかし、ユーザが Web2.0 によって無意識にプログラミングするなんてことは、あり得ない。Mac の Automator の様なソフトウェアでアプリケーションソフトを制御するならまだしも、Flickr で写真を「検索すること」が、「無意識にプログラミングする」ことだとは思えないのだ。
この記事、Flickr を Flikr とタイポしているし、本当に Tapscott 氏がそんなことを言ったのかと、ちょっと考え込んでしまった。なんかの聞き間違いなんではないかと…それとも英語では、Programming と Searching では、そんなに違いはないのかと思ってみたり。
私はプログラムを作るという作業は無意識ではできないものだと思っているから、たとえ話としてもちょっと承服しかねる。(Tapscott 氏の講演の本題はそれとして)プログラマがプログラムした成果物をユーザが享受している「受動的な状態」と、プログラマが納期に追われて成果物を作った「能動的な状態」にはやたらと差があると思うのに、それが Web2.0 でのユーザの無意識の「プログラミング」であると言われてしまっては、プログラマの立つ瀬がないではないか?
0 件のコメント:
コメントを投稿