昨日書いたエントリについて、引き続きつらつらと考えてみようと思います。前回のエントリはこちらから。
ブログに最適のネタって何?
http://sio-gadget-blog.blogspot.com/2008/03/blog-post_16.html
私がブログ記事を検索するときの事を考えてみると…
・検索エンジン経由
・よく読むブログ記事経由
・ビジネス本/雑誌経由
という三種類に分けられます。その中で、
・検索エンジン経由の記事…開発ノウハウ、単語の意味、英語の例文、等 単発の記事
・よく読むブログ経由の記事…連載もの、書評、説教、いい事言ってる確率の高そうなブログ、著者で選んだブログ、等 ブログ丸ごとRSSリーダ登録
・ビジネス本/雑誌経由の記事…特定の問題、ジャンル等、カテゴライズされたような記事
という具合にすみ分けているような気がします。例外はありますが、だいたいこんな感じです。検索エンジン経由でのアクセス数を多くしたいのであれば、単発読み切りの優れた記事を書くと良いでしょうし、RSSリーダに登録されるような記事とは、いわゆる「著者買い」に近いものがあるかと。
書評ブログというのは、これの良いトコ取りですね。書評という部分では「単発」で行けるでしょうし、ある著者について連続して取り上げるようなことがあれば、ファンに「著者買い」されるパターンは多くあるでしょう。書評が個性的であれば、その方自身の「買い」になる場合もあるでしょうし、考えれば考えるほど、書評は「美味しい」ネタのように思われます。
でも、書評というジャンル、こんなに難しいジャンルも無いとは思います。うっかりしたことを書けばファンに怒られそうだし出版社も敵に回しそう…その点、アルファ・ブロガーの方々は上手に仕切っているように見えます。私が非常に感心するゆえんです。
あちこちのブログを渡り歩いていると(笑)だいたい同じようなブログを皆さん読んでます。記事をよめば「あーこれははてブだな」とか「あーこれは△△さんのブログ読んでの話だな」とか「これはあのキーワードだな」とか…新聞なら○○新聞、TVのニュースならとりあえずNHK、みたいな感じです。ゆえに「アルファ・ブロガー」と呼ばれる人たちが出てくるのでしょう。そこをチェックしていないと(引用でもされてない限り)どう話がつながっているか読めない場合もあります。それが怖いようでもあり、あえてブロゴスフィアの「空気」を読まない事でもあり…読んでいれば、ある程度影響されてしまうのは必然かもしれません。
一方、公開ブログでちゃんとした問題提起をするのは、大変難しいと思います。いくつか理由があると考えますが、例えば;
・賛否両論、意見が分かれる場合
・個人攻撃/名誉毀損になりかねない場合
・問題提起したのはいいが、問題がよく理解されず、別の方向へ議論が行ってしまう場合
・犯罪被害者が二次被害にあうような場合
・嘘の情報をもとに問題提起した場合
等等、これらは、素人がうっかり手を出すとたちまち炎上しかねないケースでしょう。確信犯的に狙って記事をエントリする凄腕の方もいらっしゃるようですが、下手すると裁判沙汰になりかない話題もあります。この点、素人はうっかりハマることのないよう、よくよく注意しなくてはなりません。(一方、プロの記者、マスメディアの人は、公権力に対しては、もっと問題提起をするべきだと思います。が、中には個人攻撃に走るのもいたり…正義感の出し方が違うっていうか…)
こう考えて行くと、いろんな情報にあふれているようでいて、実はブロゴスフィアというのは良識的に考える範疇においては、あまりバラエティーに富んだ話題が書けないんじゃないか?という疑問が生じてきます。それでも十分雑多だという方もいらっしゃることでしょう。でももしISPがいろんな規制を加えて行ったとしたら?NGワードが極端に増えたら?自分でNTTと専用線を契約しない限りは、もしかすると情報発信できなくなるかもしれません。著作権に違反した場合、という限りにおいてはその傾向にあります。もちろん、法律に違反するのは良くないです。裏掲示板のような人権侵害の温床になっているものについては徹底的に調査するべきだと思います。
私が憂えるのは、いずれそれが拡大解釈されるのではないか?ということです。なぜなら、内容について線引きが難しいということが一つと、この前私がLivedoorブログのコメント書き込み(ちなみにLivedoorコメントのドメイン規制は解除されました)で経験したように、ドメイン名で機械的に迷惑コメントと切られたりするような例では、あまりにも「その他」に及ぶ被害が多いということが一つ上げられるからです。もしそうなったとき、きちんとISPやASPは対処してくれるのでしょうか?もし、それについて個人が法人に対して「問題提起」したくなった場合、「Google八分」や「ISPとの契約解除状態」にならずに、情報を発信しつづけることができるでしょうか?
携帯電話では「ホワイトリスト」方式で登録された以外のサイトがつながらなくなる、という規制があります。もともとは低年齢層が携帯電話を使った犯罪に巻き込まれないようにするためのものですが、いずれ、これがインターネットのISP単位で起きないとは言えないと思います。なぜなら、「子供達を守るため」という大義名分があるからです。もちろん、子供達は守らなければなりませんが、じゃあどうやって表現の自由や言論の自由と線引きするのか?その辺が技術的に解決できるかどうかわからないし、世間一般の了解的にも曖昧なことがたくさんあるんじゃないかと思う訳です。もっとコンセンサスを得るための議論の余地はあるのではないか?とか…案の定、携帯電話の規制の話は、ビジネスの機会損失の話と連動して、かなり問題視されてます。
個別のパソコンにソフトをインストールするのではなく、ISP単位でおこなうということでは、コンピュータウィルスの対策ソフトは既にそのような形になっている所も多くあります。そのアナロジーでいっても、いずれISP側でサイトを規制するのが主流になることでしょう。正常なメールを迷惑メールとフィルターしてしまうのに、ちゃんと機能する迷惑サイトフィルターができるのか?というと、とんでもなく難しいと言わざるを得ない気がします。それはコンピュータに「迷惑なコンテンツを理解し発見しろ」と命令するに等しいわけですから…
もし「ブログが炎上した=トラフィックがとんでもない数字になってサーバがパンク寸前」という事態になったら、当分「出入り禁止」になる可能性もあります。それって、実は「サーバの調整」ではなく、ISP/ASPによる「言論統制」なんじゃないか?とか、いろいろ問題をはらんでいると思います。今はうまくいっててあえて考えなくても良いのかもしれませんが、グレーゾーンがたくさんありそうだ、ということは、ブログを書いていないと気がつかない事の一つかもしれません。
で、広げた風呂敷を無理矢理閉じて(苦笑)最初に戻って考えてみると、こうやって危険因子をつぶしていって最適化されてしまうと表面上はアクセス数を稼げてもあんまり面白くないんじゃないかなあ…と思うのです。まさに、民放テレビのゴールデンタイムと一緒。(とはいえ「クイズ『ガリ勉!』」は最近珍しいヒット)もちろん、ネット上の著作権法違反とか、人権侵害、その他犯罪は抑止されなければなりませんが、みんなが同じ方向を向いたブロゴスフィアっていうのも、なんかメディアとして終わってる感じがします。日本ではブログって言う言葉が出てきて10年はたってないと思うけど、情報の蓄積が急速すぎて、アクセス数UPのノウハウも一般に知れ渡るようになったことで、ブログの話題が一気に「最適化」されるのではないかと、ちょっと心配になった訳です。
私が心配することではないのかもしれません。だれかに「心配しなくても、だいじょうぶだぁ〜」っていって欲しいんですけどね。でも「自分で自分をブロゴスフィアに最適化しすぎない」ことを心がけておかないと、いずれ自分で自分がつまんない事書いてるな〜なんて思うことになるのかもしれません。
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